2016年のカジノ法案が成立後、2022年中にいよいよIR開業の候補地が正式に決定する予定です。
カジノ好きな方はもちろん、ニュースでもIRという言葉が頻繁に出てきて気になる方も多いはず。現在、候補地となっている場所や課題についてご紹介します。
IRとは、Integrated Resortの略で、「統合型リゾート」という意味があります。
統合型リゾートはカジノを含む、ホテル、ショッピング、映画館、劇場など、様々なエンターテインメントを取り入れた施設であり、この施設を設立するためにあたって長年に渡り協議されているのです。
IRについて日本で最初に話題になったのは、2016年のことです。
2016年にカジノ法案(IR推進法)が成立し、2018年7月20日に「IR整備法」が成立されました。
IR設備法とはカジノを含む統合型リゾート(Integrated Resort)を整備する手続き、またカジノに関連する事業の免許・各種規制、事業者の監督等を規定するものです。
そもそもIRは 安倍政権が掲げた「観光立国」の戦略の目玉で、IR実施法が成立した2018年には、多くの自治体が誘致を検討していました。
しかし、コロナ禍で資金繰りや収益見込みなど不安要素が増えて状況は一変しています。
現在、(2022年8月)の時点で、有力候補地となっているのは大阪府大阪市(夢洲)と長崎県佐世保市(ハウステンボス)です。
IR(カジノを含む統合型リゾート)の誘致を希望する自治体は、都道府県、政令指定都市が主体となり政府に認定申請をし、計画内容を審査されます。
IR誘致を目指す自治体は、IRの区域整備計画を2021年10月1日~2022年4月28日の間に政府に申請を行う必要がありました。
当初、政府は「最大3カ所」を認定する考えでしたが、最終的に申請を行った自治体は、大阪府・市、長崎県の2ヶ所のみとなったのです。
今まで多くの誘致を目指した多くの自治体がすでに撤退しています。
その理由はギャンブル依存症増加の懸念、資金繰りの課題、候補地を巡っての住民の反対の声などがあったためです。
これまでにIR誘致を撤退した候補地
有力候補とされていた横浜市は、2021年8月の横浜市長選挙でカジノ反対派の市長が当選したことによって誘致を撤回しています。
また、区域認定の直前まで尽力してきた和歌山市は、2022年4月の県議会で否決となり撤退を余儀なくされました。
IRの区域整備計画を申請したのは大阪府、長崎県のみですが、どちらも候補地を巡る問題、地域住民の強い反対、また資金についてなどが課題になっています。
長崎は2027年度のIR開業を想定して、リゾート施設「ハウステンボス」(HTB)への誘致を目指していました。
しかし7月に、旅行会社である大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が、ハウステンボスを売却する方向で調整していると報告しています。
このことによって経営主体が変わると誘致に影響が出る可能性が出てきます。
大阪は2029年秋~冬の開業を目指していますが、市民団体が19万筆超の署名を集め、IR誘致の反対を求める住民投票条例の制定を府知事に請求しました。
現実的に考えると2030年には、日本で初めてランドカジノを楽しむことができるようになるでしょう。
しかし、それまでにはまだ多くの課題が残されています。