ノンファンジブルトークン(NFT)そしてNFTメタバースは、オンラインギャンブルにまでその領域を広げています。最新の報道によると、人気のiGamingコンテンツ開発会社であるEvolution Gaming社が最近4つのクリプトパンクスを購入、スロットのプライズとして4名のプレイヤーにプレゼントするとのこと。このクリプトパンクスとはイーサリアム上に存在する1万個のユニークなキャラクターで、同じものは2つとなく、それぞれを個別に所有することができるものです。これはNFTとギャンブルの最初の接点であり、今後、大きな注目を集めるであろうと予想されています。
NFTは創業以来、長く波乱に満ちた歴史を歩んできました。発売時には勢いがありましたが、数ヶ月間は価格が急落。しかし、しばらくしてからまた盛り返したので、現在は当初の水準には達してはいないものの、大きな危機は乗り越えたように見えます。
さらに、Evolution Gaming社がこの業界に足を踏み入れたという事態に多くの関心が寄せられており、NFTの愛好家たちはこのブームとも言われる現象に、ある意味賭けています。報道によると、Evolution Gaming社は近日公開予定のゲーム「NFT Megaways」で4つのクリプトパンクスのキャラクターをプレゼントする予定。これは、NFTをプライズとして利用する最初のプロジェクトとなります。
Evolution Gaming社のプレスは、「もし初期の頃からNFTをご存知であればそのユニークさは既に周知のこととは思いますが、今回リリースする7列6リールのNFT Megawaysスロットゲームは今までにないスリリングな仮想体験をご提供します。ゲームの核となるのは、クリプトパンクス『8143、4701、3008、914』。このLarva Labsが制作した個性的な4つのキャラクターは、現在Evolution Gaming社が所有しています」と発表しています。
トランザクションを調べることで、それぞれのクリプトパンクスの価値を知ることができます。Evolution Gaming社は、イーサリアムトークンの価値が1,888ドルだった6月22日に合計86 ETHを投資、これにより総投資額は162,368ドルとなりました。中でも最も高価なのはクリプトパンクス 8143で、現在21.50 ETHとなっています。
クリプトパンクスは当初からコレクターの目に留まっていましたが、2021年6月にメインストリーム市場に参入以来、人気が上昇。例えば、ラッパーのJay-Zは自身のTwitterプロフィール画像としてクリプトパンクスを使用しています。
7月に高級オークションハウスであるサザビーズがオンラインオークションに出品、8月にはアメリカの多国籍金融サービス企業Visaが2000万ドルを投じて大量に入手しています。こういったことを考えると、NFTがトップランクのプロジェクトであること は間違いありません。
今回の開発について、Evolution Gaming社のチーフプロダクトオフィサーであるTodd Haushalter氏は、「Evolution Gaming社は、NFTを従来のギャンブルに組み込むための最初の一歩を踏み出しました。我々は世界初のNFTベースのビデオスロットの開発者として、重要な立場にあります。よくある質問のひとつに『NFTをどのように表示するか』というものがありますが、我々はこれがNFTを示威するための一つのキーポイントであると考えました。」と述べています。
また、Haushalter氏は「NFT Megawaysは、ノンファンジブル・トークンに慣れ親しむための安全で楽しい方法です。これはプレイヤーにとって、まったく新しい方法で仮想通貨に接することができる貴重な機会となるでしょう。新しい仮想通貨の発展の一端を担うことができ、誇りに思っています。」と付け加えています。
NFTベースのプライズを提供することで、ゲーム開発者はかつてないほどポートフォリオを多様化し、幅広い層にアピールすることができるようになります。これは単なるプライズ以上のものを提供している企業にとって、より具体的で洗練された製品を売り込むための新たな道を開くものとなるでしょう。
Evolution Gaming社の最近の事業は、2つの業界の新しい関係に火をつけると考えられています。iGaming業界は年末までに5,160億ドルを突破すると予測されており、NFT市場がギャンブルと結びつくことは、非常に大きな利益を生み出すチャンスとなるでしょう。
iGamingは以前から存在していましたが、デジタル資産を利用するというコンセプトはかなり新しいものです。しかしこれからの時代、これはさらに広がるとされていて、例えばその一つにスポーツカードのコレクションがあります。スポーツベッティング市場が成長を続ける中、デジタルスポーツ関連のコレクション人気は高まりつつあります。
NFT市場は、この機会を利用してスポーツファンに特化した製品をデザインすることができる立場にあります。その典型的な例が、実際のチケットの形をしたベッティングリワードのデザインです。全米プロバスケットボールのチームであるDallas Mavericksは既にこれに関する取り組みを行っており、経営陣は今後の試合用にトークン化されたパスを作ることを計画しています。
メタバースのNFTは次の大きなプロジェクトとして注目されています。「メタバース」とは現実の世界を反映した仮想現実のこと。この言葉自体は1992年に作られましたが、勢いを増してきたのはここ数年のことです。メタバースのNFTはデジタルコレクションの新しいサブカテゴリーであり、ノンファンジブルトークン(NFT)を獲得するチャンスを求めてギャンブルをすることができます。
こうした技術は、ギャンブルの議論に新たな次元をもたらします。メタバースのNFTはかなり新しいニッチなものですが、インタラクティブ・リアリティが主流になるにつれて、より人気が高まると予想されます。また、大手ブランドがNFTメタバースに参入するペースを考えると、バーチャルカジノがNFTを世界中に広めるハブとなるのも時間の問題でしょう。
NFTは今後、数年のうちに業界を席巻すると思われます。そして、その功績の大部分は、ギャンブルゲームと新技術にあるといえるでしょう。しかしNFTギャンブルは決して楽しいだけの遊びではなく、障害が待ち受けているのも事実であり、大規模な導入が市場での信頼を築く鍵となると考えられます。
NFTギャンブルはあくまでも初期段階にあり、その真の可能性を分析するためにはまだまだ時間がかかります。ですからNFTをiGamingエコシステムに統合することの有用性と長期的な提案を注意深く監視し、結論を急ぐことは控えなければなりません。他の新技術と同様、NFTにもそれなりのリスクがあります。しかし、当分の間は利益がオッズを上回る状態が続くと言えるでしょう。