ライブカジノのコングロマリットであるエボリューション社は、メガウェイスロットの人気デベロッパーであるビッグタイムゲーミング社の買収に向けて準備を進めている。買収額は5億3450万ドルで現金と自社株での支払いとなり、第2四半期末までに完了する予定だ。
エボリューション社はオンラインカジノゲームを制作し、世界中のオペレーターにライセンスを提供している。同社は2億7990万ドルの前払いに合意し、その後、2022年から2024年の間にBGT社の減価償却前利益(EBITDA)からのアーンアウトアウト支払いによって残額を清算する。ビッグタイムゲーミング社の2020年のEBITDAは3960万ドルの収益に対して3480万ドルだ。
エボリューション社は最大9600万ドルの現金を前払いし、残りの金額は新たに発行されるエボリューション社の株式で支払う。エボリューション社は110万株の自社株を売却する可能性が高い。同様に、2億7600ドルのアーンアウトの支払額は2023年から2024年の間に一部が清算される。残額の70%は現金で支払われ、残りはエボリューション社の株式で支払われる予定だ。
マルタを拠点とするこのiゲーミング企業は、法律事務所ウィギン LLPにこの取引のリードアドバイザーとしての役割を託した。ウィギン LLPは、デロイト、アディソンズヘルナント & ダニエルソンの支援を受ける。一方、BGTはスターン、オークベールキャピタル LLP、BDOを顧問に任命した。
ビッグタイムゲーミング社はオンラインスロット開発のリーダー的存在であり、エクストラ・チリ(Extra Chilli)やボナンザ(Bonanza)などの人気タイトルを所有している。また、長年にわたり200以上のゲームに組み込まれているメガウェイズ機能はファンに大人気だ。
エボリューション社のイェンス・フォン・バール氏はこう語る。「我々はビッグタイムゲーミング社と共にゲームのラインナップを強化し、エボリューション社をiゲーミング市場におけるグローバルリーダーとして位置づけることを計画しています。ユニークなプレイヤー体験を作り出すというBGTの意図は我々の将来の目標と一致しており、近い将来、プレイヤーのために素晴らしいコンテンツを作ることを楽しみにしています。」
また、BGTのCEOであるニック・ロビンソン氏は次のように述べている。「ビッグタイムゲーミング社とエボリューション社は共に革新的な技術を持っており、掲げている目標が完璧に一致しています。プレイヤーに質の高い製品をお届けできるよう尽力したいと思っています。」
今回の買収は2020年11月に行われたエボリューション社による、有名なiゲーミングソフトウェア開発会社ネットエント社の買収(推定金額23億ドル)に密接に関係している。
エボリューション社は2020年6月、iゲーミング業界のグローバルリーダーになることを目指してネットエントの買収を行ったばかり。ビッグタイムゲーミングを買収する計画はその決意をさらに強固なものにする。
2021年2月に発表された前年度の決算では、売上高が前年比53.4%増の6億7400万ドルとなった。すべての費用を考慮すると、この企業は2019年から90.1%増の3億4100万ドルという大きな利益を手にしたことになる。